猫の生命維持において、非常に重要な栄養素となるのがタウリンです。タウリンとはアミノ酸の一種です。タウリンは人や犬は非必須アミノ酸に分類され、体内で合成することができますが、猫はタウリンを合成できないため、必ず食事から摂る必要がある必須アミノ酸に分類されます。
タウリンは犬と猫の必要栄養素の最も大きな違いとも言えるでしょう。手作り食をするにあたり、タウリンが不足しないご飯を作ることが大事になってきます。
タウリンは網膜や脳や心臓の構成に欠かせません。不足すると失明したり、てんかんを起こしたり、拡張型心筋症になる恐れがあります。また、脂肪の消化・コレステロールのコントロール・脂溶性ビタミンの吸収を担う胆汁の構成成分になるのもタウリンです。タウリンは、猫の正常な生殖機能や肝細胞の再生にも欠かせません。栄養ドリンクにタウリンが含まれているのはこの肝細胞の再生を助けるからです。
タウリンはこのように、猫の健康維持に欠かすことができない栄養素です。タウリンは熱に弱い性質があるため、高温で加工するキャットフードには必ずタウリンが添加されています。手作り食をする際はタウリンを補うことができるメニューを考えてあげる必要があります。
一般的にタウリンが豊富に含まれる食材は、魚介類と言われています。牡蛎、イカなどに豊富ですが、イカは猫が生で食べると「腰を抜かす」と言われているように、イカのチアミナーゼという酵素が猫の体内のビタミンB1を破壊してしまいます。加熱したイカも消化は悪く、猫のごはんの食材には向きません。牡蛎もそれだけで猫の栄養を満たすことができる食材ではありません。
では、猫にタウリンを不足せずに手作り食を実践するにはどうしたら良いのでしょうか?